新発田市赤谷

1 赤谷鉱山の歴史
赤谷鉱山は,1780年代前半に発見されたといわれています.稼業を始めたのは1898年で,鉄鉱石や鉛鉱石の鉱山として栄えてきました.現在は,鉱山とは別の会社が炭酸カルシウムの生産をしていますが,原料の石灰岩は赤谷の物ではなく,津川方面から運んできているそうです.

2 どのようにして鉱床ができたのか

年代

できごと

できた岩石や鉱物

 

石灰岩のまわりに,砂や泥が堆積

 

1億〜7000万年前

陸地.
貫入してきた花こう岩(→観察地点c)質のマグマが石灰岩と接触し,化学反応を起こして鉱床を形成.スカルン鉱床.

結晶質石灰岩[いわゆる大理石]
珪灰(けいかい)石
ヘデンベルグ輝石
ヨハンゼン輝石
柘榴(ざくろ)石

2000万年前

海底.
グリーンタフ時代の火山活動(→観察地点b)による変質で,熱水鉱床を形成.

鏡鉄鉱(きょうてっこう)[雲母箔(きらはく)と呼ばれ,壁やふすまなどの装飾材料になった]
閃(せん)亜鉛鉱
方鉛(ほうえん)鉱


3 観察地点の解説


観察地点a 滝谷森林公園管理棟
新潟県及び赤谷産の鉱物が展示されています
   

観察地点
流紋岩が観察できます.炭酸カルシウム工場のすぐ脇です.この流紋岩は,教科書でも紹介されていました.溶岩がまたとけている状態で流れ出したので,この縞模様ができました.
    

観察地点
花こう岩と水晶が観察できます.この花こう岩は,正長石の大きな結晶を含むのが特徴で,斑状花こう岩と呼ぶことがあります.中に,幅数cmくらいの脈が入っていて,水晶ができています.
    

観察地点d ズリ山
ズリ山の跡で,今は平らになっています.足元を見ると,砂はキラキラ光っていて,さまざまな鉱物を含んだ石がころがっています.
      

引用・参考文献
新潟県 「新潟県地質図(2000年版)」 2000
天野和孝・河内一男・鴨井幸彦編著 「新潟県 地学のガイド(下)」 1995 コロナ社
「中学校 理科 2分野・下」 2000 学校図書
地学団体研究会高田支部編 「新潟地学ハイキング」 1978 新潟日報事業社
地学団体研究会新潟支部編著 「大地のロマンを求めて」 1997 新潟日報事業社
地学団体研究会新潟支部編 「地学ガイド 新潟の自然」 1989 新潟日報事業社




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