胎内市夏井胎内川右岸の段丘崖(現在では藪化が進み、C地点を除き観察には不向きです。



a 凝灰角れき
数cmの流紋岩の角れきを含んだ,黄色または灰色の凝灰角れき岩が見られます.
  

b 白色凝灰岩
地層がほぼ垂直に立っています.奥のへこんだところをけずってみましょう.表面の黒い汚れが取れると,白色の凝灰岩があらわれます.凝灰岩は火山灰が固まったものです.


顕微鏡で観察すると,火山ガラスが多く,他に石英や長石が含まれています.色のついた鉱物を含まないので,白色に見えるのです.このことから,この火山灰をふらせた火山は流紋岩質だったことが推定できます.また,球状のケイソウの化石を含むことから,海底につもったと考えられます.


c 貝化石
駐車場横にトイレがあります.このあたり段丘崖は,おもにシルト質泥岩層ですが,砂や火山灰の層もはさまれており,貝化石が多く見つかります.
写真の露頭には、貝殻質の砂層を薄く介在しています。ウニの棘や微少な巻き貝、二枚貝の化石をふくんでいます。

胎内川で浸食されてできた段丘崖のシルト質の泥岩層からは少しおおきな巻き貝や二枚貝の化石を内在していますが、藪化が進んで観察が困難になっています。




崖の表面をよく見たり,足もとに落ちている石を割ったりして,貝化石をさがしてみましょう.大きさ数cmのものも,見つかります.
 

引用・参考文献
西田彰−・津田禾粒 「新潟県坂町周辺の第三系」 1961
津田禾粒・白井健裕・長谷川美行 「土地分類基本調査 中条」 1971
新潟県 「新潟県地質図解説書」 1989
加藤久一 「胎内川中流域の第四系について 新潟県立教育センター研究報告第18号」 1978
長谷川徹 「北蒲原郡中条町・黒川地域の新第三系とその貝化石 新潟県立教育センター 研究報告第49号」 1981
金子智 「鳥坂山、櫛形山脈北部の地質 新潟県立教育センタ一理科長期研修地学選択レポート」 1990
小林淳一 「櫛形山周辺の地質 新潟県立教育センター研究報告第157号」 1994
金子智・小林淳一 「櫛形山脈周辺の地質 新潟県地学教育研究会誌28号」 1994



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