阿賀野市山寺

安野川からこの露頭を眺めると,左に傾いているのがわかります.したがって,向かって右側が地層の下部,左側が地層の上部となります.


右側の露頭
地層の縞模様がわかりやすく,層の横方向への広がりを見ることができます.大まかに分けると,上部が砂層,下部が泥層です.
 

砂層をさらに詳しく見てみましょう.全体的には赤茶色をしており,雲母が目立ちます.下部の泥層との境界付近では,色が黒くなり亜炭の黒い粒が含まれています.
 

崖が水で削られているところがあり,断面がよく見えます.角の取れた礫が含まれています.


左側の露頭
笹神層の下層から中層が見られます.笹神層下層は砂礫層です.写真の白っぽい層から上が笹神層中層で,灰色の泥からできています.
 

砂礫層には,固さの違いから階段状になっている部分や,水で大きく削られている部分があります.
 

礫の大きさはばらつきがあります.ラミナが見られ,水の流れの方向が推定できます.
  

笹神層中層の泥です.
 

笹神層と堆積環境

 

年代

地層のようす

含まれる化石

当時のようす

上部

60万年前

れき・砂・泥の互層

 

浅海が退き,扇状地が山麓に広がった.
三角州や海岸付近の低地帯,後背湿地,網状河川からなる海岸平野が出現した.
温帯性の落葉広葉樹が山地をおおった.
海岸低地にはハンノキや湿地性の草などが繁っていた.

中部

 

砂・泥の互層
基底部に青灰色泥

落葉広葉樹(クルミ,ブナ)
汽水性珪藻

下部

100万年前

れき・砂・泥の互層

温帯〜冷温帯性の落葉広葉樹(クルミ,コブシ,ブナ)
針葉樹(ツガ,マツ)
池沼性種(ヒシ)
淡水性珪藻 


引用・参考文献
笹神村 「笹神村史 資料編5 自然」 2002
五頭山のおいたち編集委員会 「五頭山のおいたち」 1984 新潟日報事業社出版部



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