胎内市「胎内観音」
胎内観音周辺では,火山活動でできた岩石が観察できます.対岸の水天宮を目印にして,クアハウス胎内の脇から川原に下りてみましょう
鳥坂山が海底における火山活動で噴出した凝灰岩が隆起して分布しています。凝灰岩は、角張った火山岩の流紋岩礫を含む「角礫凝灰岩です。胎内川は、この
凝灰岩層の弱いところを浸食して流路をつくっています。
川原には白くゴツゴツとした岩があり,黒っぽいれきが多く含まれています.れきを割ると中は白っぽく,流紋岩であることがわかります.これは,噴出したマグマが水中でくだけて堆積したものです.
鳥坂山の山体を形成するのは凝灰岩や火山岩の流紋岩です。流紋岩の大きな岩塊が樽が橋の道の駅「胎内 たるが橋観光交流センター」付近に
転がっていますので、岩面を観察してみましょう。
胎内川がつくった広大な扇状地
※ 樽ケ橋の狭い流路を抜けた胎内川は、標高差の大きな沖積層の平野部で広がり、長い年月をかけて大きな扇状地を形成しました。
扇状地を形成している堆積層は、主に砂礫物質から成るので水の浸透がよく伏流水となっています。夏に水量が減った胎内川は、国道7号線に掛かる「胎内川橋」の下流で川底に浸透してしまうのでよく「水なし川」となることがあります。
扇状地下の浸透水は、古砂丘地帯に阻まれ湧き水となって平野の中で湿地池をつくっているところがあります。それが胎内市地本の水芭蕉群生地です。湧水地には、イバラトミヨなど湧き水に支えられてきた動物が生息しています。
引用・参考文献
天野和孝・河内一男・鴨井幸彦編著 「新潟県 地学のガイド(下)」 1995 コロナ社
マリンピア日本海:湧き水の生き物ー胎内川の”どっこん水”からー 1998 新潟市水族館
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