ハクチョウ(カモ目カモ科)      〈撮影地:阿賀野市笹神地区〉
 
 ハクチョウ(白鳥、swan)は、カモ科の7種類の水鳥の総称です。シベリアやオホーツク海沿岸で繁殖し、冬季に温暖な日本などで越冬する空を飛ぶ鳥の中では最大重量級の大型の渡り鳥です。日本にはオオハクチョウ
(クチバシの黄色が鼻孔の先までで大きい)とコハクチョウ(クチバシの黄色が鼻孔の手前までで小さい)が、晩秋から初冬に渡来し春に飛去します。青森県、島根県、東京都千代田区、新潟市、阿賀野市の県鳥および区・市鳥ですが、青森県東津軽郡平内町浅所海岸のハクチョウは国の天然記念物に指定されています。また、阿賀野市の瓢湖はハクチョウの飛来地としてラムサール条約に登録(2008年)されています。新潟には他に、福島潟、五十公野公園のます潟、佐潟などにも多く飛来します。北海道ではオホーツク地方や函館地方、小樽周辺で多く見られます。ハクチョウはこれら日本の湖沼や川の400ヶ所で越冬しますが、その内、オオハクチョウが約27,000羽、コハクチョウが約25,000羽、それらのおよそ70%が東北地方で越冬します。

越冬の飛行距離は、オオハクチョウで約3,000q、コハクチョウで約4,000qです。途中、何度も中継地で休みながら、カムチャッカ半島から千島列島を経て北海道へのコースとサハリンを経て北海道へのコースがあることが確認されています。オオハクチョウとコハクチョウでは、飛行距離が違いますが、これは、コハクチョウの繁殖地がオオハクチョウより1,000qほど北にあるためです。体の軽いコハクチョウはオオハクチョウより長距離を飛べることと、体が小さいために天敵の少ない極地で子育てをしなければならないためだと考えられています。飛行速度は平均時速50qですが、追い風で70q、気流に乗った場合は100qに達します。標高3,000mの山脈を越えることができます。(ガンは9,000mの上空を飛ぶことができます)産卵は、オオハクチョウで直径11pの卵を4〜7個(コハクチョウ3〜5個)、ふ化の日数は35〜42日(コハクチョウ29〜30日)、ヒナになってから3ヶ月後には飛べるようにまで成長します。
 ハクチョウ(水鳥)が水面に浮かぶことができるのは、尻に油脂腺があり、そこから分泌される油を羽繕いで羽に塗って撥水性を持たせ、それによって羽毛の間に空気が溜められ浮き袋の役目を果たしているからです。羽根の枚数は約25,000枚あります。            


・オオハクチョウ:身長1,4m、翼長2,4m、体重8〜12s

・コハクチョウ :身長1,2m、翼長2,0m、体重4〜 8s

                                      (参考:フリー百科事典『wikipedia』他)