飛行機雲                    〈撮影地:胎内市村松浜〉
 飛行機雲は、飛行機が出す排気ガスの煙と思っている人もいるかも知れません。実はちゃんとした雲で煙ではありません。分類状、積乱雲などのような雲と違いますが、飛行機雲が生まれる過程ではきちんとした雲と呼ぶことができます。飛行機雲が見られるようになったのは、今から60年ほど前からで飛行機が高い空を速いスピードで飛ぶようになってからです。それまでの飛行機では飛行機雲ができませんでした。


 飛行機雲は、空の高さが地面からおよそ6千m以上でなければできません。そのあたりは温度もかなり低いため、ほとんどが氷のつぶでできている雲です。気温は地上から100m高くなるごとに、約0.6℃下がります。飛行機の飛ぶ高度1万mでは、地上より60℃も気温が低く−40℃以下です。飛行機のエンジンが300〜600℃となった排気ガスを出すと、その中の水分が急に冷やされて凍り、雲となって白く見えます。冬の寒い日に息を吐くと白くなるのと同じです。しかし、飛行機雲はそんなに頻繁に見られるわけではありません。飛行機の飛ぶ高さや上空の温度、湿度、空気の流れなどの条件がそろわないと発生しません。飛行機雲には、エンジンから出る排気ガスが作り出す雲と、飛行機の主翼などの後ろに空気の渦ができて、部分的に気圧と気温が下がり水分が冷やされるためにできる飛行機雲があります。

 因みに、ジェット機(旅客機)は、およそ高度1万m、時速900km、プロペラ機(国内線旅客機)は、およそ高度8千m、時速700kmで飛行しています。
                           
(参考:JAPAN AIRLINES航空豆知識他)